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このカテゴリは、時に実話だったり、時に架空話であったり、時に実話を元に作り変えてみたり。気まぐれに思い付いた男と女の小話を記録しています
その男の名はK男と言い、女の名はM子と言う。 10年前にK男は仕事で遠い四国から初めて東京へ上京。 二人は某呑み屋で、友人を介して知り合う。 その頃の彼等は、若くて、孤独で、暇ばかりを持て余しており、そんな風に酒を呑みながら友人を増やしていくのが常であった。 寡黙だが人懐っこいK男の東京生活は、じょじょに華やいでいき、いつのまにかどこに行っても見かける顔、となった。 その頃のM子は、あまりにも若すぎた女の子だった。 カッコよくて目立つ男の子を見りゃすぐ惚れる。そして脇目もふらずに突っ走っては、すぐ撃沈(目立つタイプのモテ男に、追っかけ恋愛は利き目無し、という一般常識を知る術もない程、若かったのだ) K男はそんな真直ぐなM子を”面白いなあ、可愛いなあ”と、まるで”妹”のように可愛がってくれた。 M子はそんなふうにいつも相手にしてくれるK男の事を”ちょっと好き”。 でもとりたてて目立たない彼だけに”スペシャル”として突っ走る事はなかった。 数年間は二人共彼女ができたり、彼ができたりそして。。。アローンアゲイン、を繰り返す。 そんな時二人はよく酒の席で ”30過ぎてもお互い一人だったら、結婚しようね” なんて言いあっていた。ぽっちゃりのM子に向かい、”お前がもうちょっと痩せたら、もっと俺のタイプやねん。頑張れやー”と憎まれ口を叩いた。 それから数年の月日が流れた。社会人になりなかなか以前のように遊べなくなった M子がK男に再会した時には、K男は34歳、M子は30歳になっていた。 お互い”独身”である、と言う事だけは風の噂で知っていた。 再会は、ちょっとした同窓会のような場所で。 誰がが言った。 ”K男とM子ってまだ独身なんでしょ!勿体無い。M子昔から気に入ってたじゃん!付き合っちゃえ!” ”K男も、30になったら結婚しようとかいってなかったっけ?” ”えー!!いますぐ結婚しちゃえよ!””やっちゃえよ” ”やーれ!のーめ!(そのまま酒コールへ)” K男もM子もその場では苦笑いするしかなかったが、たまたまお互いフリーの身。 実はまんざらでもなかった。ただ一つ、いまいち乗り切れない問題があった。 K男の東京ステイは期間限定。長くて10年。戻って家業を継がなければならない。 これは彼が上京した時から、周知の事実であった。 そして、この年はK男が東京にきてちょうど10年を迎える年だった。残された時間は あと1年もない。 ”まあ俺、確かに30になったら結婚しようやって言っとったよなあ。しかも、M子痩せたなあ。せやけど、四国の嫁はんは大変やで” ”四国ねえ。。。毎月東京に遊びにくるっていうのでどうかしら(←非現実的発想)” ”イイジャン。おれたちが遊びにいくよー!(一同合唱)” そんな風に盛り上がったのを機に、二人は10年も経ってようやくデートする仲となった。
by morerock
| 2005-04-11 01:52
| 或る男と女の話
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